脊椎圧迫骨折
脊椎圧迫骨折とは
背骨のことを専門的には脊椎と言います。脊椎圧迫骨折は、脊椎が押し潰されるように変形してしまう骨折です。骨折の原因の多くは骨粗鬆症が進んで、脊椎が弱くなったため、少しの衝撃でつぶれてしまうのです。転倒・しりもち・くしゃみなどで起こります。骨折は、背骨の中でも胸と腰の境い目の部分におきることが多いです
BKP治療法とは
骨粗しょう症などによって起きた背骨の骨折(脊椎圧迫骨折)による背中の痛みを改善させる経皮的バルーン椎体形成術(バルーンカイフォプラスティ:BKP)が、2011年1月から保険適応となりました。骨折した脊椎(椎体:椎骨の前部を占める半円形の部分)の中で風船(バルーン)をふくらませることによって、椎体がつぶれている状態を整復してから、セメントを注入して固定する手術です。手術は全身麻酔で行い、約1時間で終了します。手術により背中の左右に5㎜ほどの小さな傷が2ヶ所つきますが、大きな傷は残りません。手術後の状態が問題なければ、翌日から歩行を開始し、3日~7日で退院となります。
治療による効果
① 痛みによる日常生活動作困難、睡眠障害・うつ状態の改善
② 新たな脊椎圧迫骨折の予防
③ 腹部臓器の圧迫による食欲不振、逆流性食道炎の改善
④ 肺の圧迫による呼吸機能障害の改善
⑤ バランス感覚低下による転倒の予防
⑥ 寝たきりの予防や死亡率の改善
治療対象者
本治療の対象者は、手術以外の保存的療法(体を傷つけない治療法)によっても背中の痛みが改善されない方です。骨折した骨の数や形、全身状態によっては対象とならない患者さんもおられます。詳しくは担当医までご相談ください。
治療イメージ
赤い点が手術の跡
治療時のレントゲン