【地方独立行政法人 秋田県立病院機構】秋田県立脳血管研究センター

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患者のみなさまへ

拡張型心筋症

心臓の筋肉(心筋)そのものの病気である「心筋症」の1つです。左心室全体の収縮障害と拡大を特徴とする疾患(伸びきった風船のような状態)で、血液を全身に送り出すポンプの力が著明に減少します。多くは心不全の状態が続き、徐々に症状が進行していきます。指定難病の一つです。

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原因

原因は不明ですが、遺伝やウイルス感染、自己免疫疾患(自分の体を攻撃してしまう物質ができる)などが考えられています。

症状

心不全による症状が主体で、全身倦怠感や易疲労感、悪心や食欲低下、尿量減少、夜間多尿、下腿や足背を主とする浮腫などがあります。ひどくなると夜間の呼吸困難、起坐呼吸(息苦しく臥位になれない)などが起こります。不整脈による症状もあり、動悸や脈拍欠損、めまいや失神を来す場合があります。

検査

心臓超音波(心エコー)検査が重要で、左心室の拡大やびまん性に左心室の壁運動低下を認めます。また、心臓は4つの部屋に分かれていますが、その部屋の間にある弁膜(窓のように開閉し一方向に血液が流れるように調整し逆流を防いでいる)の逆流の有無を確認します。胸部レントゲン写真では心臓が大きくなる(心拡大)ことがほとんどで、肺に血液がたまる(肺うっ血)所見がみられることがあります。24時間心電図を用いて合併する不整脈の有無を確認します。必要に応じて患者様と相談した上で遺伝子検査を行う場合もあります。

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治療

薬物治療では、体に過剰にたまった水分を尿として体外に出す利尿薬、全身の血管を拡げて心臓にかかる負担を軽くする血管拡張薬、心筋を保護するアンギオテンシン受容体拮抗薬、心臓をできるだけ休ませるβブロッカーなどが使用されます。

非薬物治療ではペースメーカを植え込む心臓再同期療法、補助人工心臓植え込み等があります。

予後:種々の治療の進歩によりその予後は改善してきており、1980年代に約50%であった5年生存率が、近年では76%と報告されています。しかし、重症となり心臓の筋力低下が高度に進行すると、補助循環(人工心臓)や心移植など特殊な治療が必要となります。

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