【地方独立行政法人 秋田県立病院機構】秋田県立循環器・脳脊髄センター

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第二脳神経外科診療部

10.顔面けいれん(がんめんけいれん)

10-1顔面けいれんとは、

片側の目や口元が引きつって、勝手にピクピクと動く病気です。病状が進行しても、生命や後遺障害などの危険性はないので、急いで治療しなくてもよい病気ですが、人前に出るお仕事をされている方や、女性にとっては大きな苦痛となります。原因は、顔面の筋肉を動かす神経(顔面神経)が脳の血管より圧迫されているためで、この血管圧迫により神経の電気信号の乱れが生じて顔面の筋肉に伝わると考えられています。

10-2治療は

10-2-1手術

手術は耳の後方を孤状に切開し、骨に500円玉くらいの穴をあけます(図1)。

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顕微鏡で脳から顔面神経が出てくる部分を観察し、顔面神経を圧迫している血管を剥離して移動させます(図2)。

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中には、血管の構造上、血管が動かせないこともあり、この場合は、顔面神経と血管の間に補填物を入れてきます。この手術で、ほとんどの患者さんが手術直後から顔面けいれんが消失します。手術直後に顔面けいれんが消失しなくても、数カ月以内に徐々に消失することもあります。多くの患者さんで手術後2日目から歩き始め約1週間で退院します。手術の合併症としては、顔面麻痺や顔面神経に近接する音を聞く神経(聴神経)の障害による耳鳴りや聴力障害などがあります。

 一般的には術後顔面けいれんの消失率は8〜9割程度と言われています。2007年以降の当センターの治療成績は96%です。現在も手術法の工夫を重ねています。

10-2-2その他の顔面けいれんの治療

薬を服用したり、ボトックス注射(ボツリヌス毒素を顔面の筋肉に注入する方法)もありますが効果は限定的です。近年、頻度が増えてきたボトックス注射は、効果は数ヶ月から半年で再発しますので、繰り返し治療が必要になります。高齢の患者さんや、他の病気などの理由で、手術の危険性が高いと判断された患者さんや、手術前の診察や検査の結果、手術による効果が期待できない患者さんに適した治療法といえます。

10-3秋田県立脳血管研究センターの治療成績(2007~2010年)

手術件数:26例、手術後は全例で症状は軽快・消失しています。

手術合併症:1例は髄液漏で再手術し、後遺症はありません。

 髄液漏とは髄液(脳を取り囲む水)が、手術創を介して鼻などから漏れる現象です。

再発:1例(半年後に再発しています。症状は手術前より軽度です。)

手術死亡:0

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